愛しのチャイン(ベトナムのライム)
ベトナムの暮らしに密接している果物と言えば、チャイン(Chanh)だと思う。
薬味としても、飲み物としても、大活躍。
メニューに英語で「Lemon」と書いてあっても、出てくるのはほぼチャイン!
地味だけど、いつでもそっとそばにいてくれる、緑の小さいアイツ。
今日は、そんなチャインについて書いてみる。
チャインはどんな果物?
チャイン(Chanh)は、緑色で、直径3〜4cmほどの柑橘類。
少量パックで買っても、1個あたり13円前後。
中は、薄い黄緑。
酸味はレモンほど強くないし、香りも柔らかい。
レモンやライムというよりは、かぼすやすだちに近い感じ。
ただし、外の皮はけっこう苦い。
レモンの代わりに、薄切りでハチミツ漬けにしてみたら、苦みがたっぷり抽出されて食べられなかった(^ ^;)。
チャインの実も葉も料理の薬味に
チャインは、フォーをはじめとする、ベトナム料理によく添えられてる。
ここにも。
ほら、あそこにも。
市場で買えばかなり安いんだろう。
特に麺料理のお店では、タダ同然な感じで、もりもりに置いてある。
実だけじゃなくて、葉も薬味に使われる。
ベトナムの結婚式の定番、ゆで鶏の上には、糸のように細切りにしたチャインの葉。
葉は酸味なしで、実よりも更に鮮やかな柑橘の香り。
そして、チャインの実を、塩胡椒の小皿に絞って、つけだれにする。
ベトナムの食べ方なら、唐揚げにレモン絞る絞らないでもめることがないね(笑)。
お手軽な、チャインの葉入りの胡椒塩もスーパーでよく売ってる。
これは、ひとつ9.5kドン(約48円)で、しっかり葉が入ってる。
ばらまき土産にもぴったり。
チャインはドリンク界でも超メジャー
そもそも、ベトナムでは、レモンをあまり見かけない。
なので、よくある粉末のインスタント紅茶も、レモンティーならぬ、チャインティー。
味はレモンティーとそう変わらないので、お土産には、お隣のマンゴーティーの方がうけそう。
もちろん、生のチャインを使ったドリンクも定番。
お店で飲める、チャインのドリンクと言えば...
チャインジュース
これは、定番中の定番。
ローカルのレストランやカフェなら、たいていはチャインジュースを置いている。
レモンじゃないけど、英語ならLemon juice。
ベトナム語なら、
- Nước chanh(ヌォッ チャイン)
- Chanh tươi(チャイン トゥオーイ)
などと言う。
たぶん、Nướcは「水」、Tươiは「生(なま)」みたいな意味。
果物の名前にこれらがついてると、だいたいフレッシュジュース。
もちろん100%果汁じゃなくて、チャインを少し絞って、砂糖と水を加えたもの。
ソーダで割るバージョンもある。
安くて、爽やかな酸味でおいしい。
チャーチャイン
Trà chanh(チャー チャイン)という甘いお茶も、ハノイではよく飲まれている。
大教会の周辺が有名だけど、観光地じゃなくても、置いてるとこはある。
Tràは、そのまんま「お茶」の意味。
緑茶やジャスミン茶に、チャインとはちみつを加えたもの。
チャインの優しい酸味と緑茶の苦味、そこに甘さが加わって、暑い時にたまらなくおいしい。
ヨーグルトチャインスムージー
これは、定番ではないかも。
周りのベトナム人が、カフェのメニューにないものを頼んでいたので、便乗してみた。
Sữa chua vị chanh(スアチュア ヴィッ チャイン)。
Sữa chuaは「ヨーグルト」のこと。
加糖ヨーグルト、練乳、氷、皮ごとのチャインを、ミキサーでガーッとやって、作ってた。
優しい甘味、ヨーグルトの酸味に、チャインの酸味と香りが重なって、あとに少し苦味。
めっちゃおいしい! けど、何かに似てる...。
ヤクルト?
レモンケーキ?
...
チェルシーの緑のやつだ!
ヨーグルト系ドリンクのあるカフェなら、メニューになくても、頼めば作ってくれそう。
ただし、ミキサーの具合によっては、チャインの皮や種がちょっと気になるかも。
おわりに
チャインは、一つずつが小さいので、使いきりやすくて便利。
家でお酒を飲むときにも、レモンやライムの代わりにガンガン入れている。
ハイボールにチャイン。
ラムコークにチャイン、モヒートにチャイン。
フレッシュな柑橘を入れると、お酒がぐっと美味しくなる。
そして、「なんちゃって氷結」にチャイン。
↓「なんちゃって氷結」とお酒の話はこちら。
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