ハノイで暮らしているけれど、日本食レストランや日本食材店などへよく出かける。
そうすると、現地の方々が用意した日本語を、目にする機会が多い。
異国の地で、必要な情報を日本語で読めるのはとてもありがたい。
ちょっとした間違いは多々あるけど、たいていは無意識に脳内変換している。
...のだけど、スルーしてしまうには惜しいときもある。
その1. 音で日本語を覚えているんですね
こちらは、日本人がメインターゲットの日本食レストランでのこと。
店員さんはベトナム人で、片言〜ペラペラの日本語で注文を受けてくれるし、メニューも全て日本語だ。
ある日、日替わりのお勧めメニューがあったので、見てみたら、
まあ、こんな感じはよくある。
このお店に限らず、日本語の伸ばす音を、伸ばさないで発音しているベトナム人は多い。
「わふ」も「わふう」も「wafu」だもんね。
脳内で音に置き換えると、そこまで間違ってない。
だけど、字面の破壊力が強すぎることも...
み、「耳」がどうしたの?
不安を誘う、文の切れ方。
...
...
...
からの
凄惨な事件が発生!!!
まあ、漢字も意味としては間違ってはいないんだけど、音引き消失との合わせ技で、
「ミミガー」→「耳が」
になると急に生々しい(笑)
これにいたっては、高レベルの暗号化が施されている。
字面に惑わされるな!音を感じるんだ!
やまめこふーちゃしゅ
↓
やまめこふうチャーシュー?
↓
やまめこ風チャーシュー?
山猫風チャーシュー?
...
ってどんな風???
(お店の名前に「やまめこ」感のある言葉は一切入っていない)
ベトナム語は、「Thit xa xiu」。
シンプルに「チャーシュー」としか書かれてない。
結局、これは注文しなかったので、「やまめこふー」のナゾはそのままだ。
ご飯自体はいい意味で普通においしい日本食だったのだが、アクセスしづらい場所だったためか、閉店してしまった。寂しい。
その2. あちらこちらで大喜利
こちらは、職場の飲み会で行った、ベトナム人向けの「日本風」焼肉ビュッフェでのこと。
お店の入口に鳥居があったり、店内は赤提灯で縁日風、あちこちに日本語の文字が書いてあった。
焼肉以外のお惣菜は、自分で取りに行くスタイル。
まずは、取皿をゲットと思ったら、
まだ入ってない。
初手から破壊力が強すぎる。
お惣菜は、唐揚げ、フライドポテト、ややキンパっぽいけど海苔巻きもあったり、「日本式」。
フライドポテト用に塩をもらおうと思ったら、
闇鍋ならぬ闇調味料!
縦書きの音引きの向きが変なのは、海外あるある。そこを直しても、あまり意味はない。
塩というか味の素的な調味料は、「ケーキパウダー」だった。
ここまでは、G○○gle先生と、「ちょっと日本語のわかる」ベトナム人の合作かと思ったんだけど…
これにいたっては、
ナニが起きてしまったのか、見当もつかない。
お店はきれいで、やや日本寄りの味付けだった気がする。(飲み過ぎて味の記憶が曖昧)
まあ、客層ほぼ100%ベトナム人だから、日本語が書いてあれば、それっぽくていいんだろう。
その3. 難解すぎて高尚なものに見えてくる
こちらは、やや高級路線な、ベトナム人&外国人向け?の日本食レストランに出ていた、大きな垂れ幕。
その時は開店したてだったので、どんなお店なんだろうと何気に読んでみたら、
え???
日本語なのに全く意味が入ってこない。
英語(も変だけど)の方を何回か読み返して、なんとなく言いたいことはわかった。
けれど、ガソリンスタンドはどこから生み出されたのか???
なにか、選ばれし者にだけ伝わるメッセージが隠されているのかもしれない…。
他の部分も読んでみると、
ある意味、哲学的。
大人になるって途方もないことだったんだな(遠い目)。
人類の50%は100万歳以上だったのか。
この垂れ幕を、職場のベトナム人スタッフに見てもらったら、英語もベトナム語もおかしいらしい。
がんばって3言語で書いた人は、いったいどこの国の人だったのだろう。
入ってみる勇気が出ないうちに、このお店は閉店してしまった。
店内にどんなミラクルな日本語があったかは未確認だ。
最近は、日本語の機械翻訳の精度が上がってきている気がするけど、もしもうまく伝わらないときは、日本語←→英語で調整してから、英語→ベトナム語や他の言語に翻訳すると、比較的いい感じになる。
まあでも、料理名とかは難しいんだろうな。