ベトナム・ハノイでの駐在生活はどんな感じ?(2023年1月改稿)
【2023年1月改稿】
ビジネス目的で、ベトナムに転勤/移住する人が増えてきた、今日この頃。
ベトナムって、実際に住んでみたらどんな感じなのか、気になることかと思う。
北部のハノイ市で暮らしていた、小学生の子連れの駐在員の一家庭の視点でだけど… これまでの関連記事のリンクとともに、書いてみる。
※長文なので、興味のあるところだけ、目次からどうぞ。
- はじめに:ハノイは四季があり、日系チェーン店は少ない
- 普段の食生活は?
- 子供の幼稚園や学校は?
- ベトナムの言語は?お金は?
- 街での移動方法は?交通手段は?
- 住環境は?自宅での暮らしは?
- 服や日用品の買い物は?
- 娯楽は?休日の過ごし方は?
- 病院や薬は?
- ベトナムから日本への一時帰国は?
- まとめ:自分基準でぼちぼちで
はじめに:ハノイは四季があり、日系チェーン店は少ない
ベトナムの首都・ハノイ市は、南北に長いベトナムの北部に位置する。
常夏っぽいベトナムだけど、ハノイにはぼんやりした四季がある。
夏場は最高気温40度、冬場はたまに最低気温10度以下まで下がることも。
一年の半分は夏で雨季。
けれど、寒い時季もあるので、住むなら冬服も必要。
薄手のダウンくらいで十二分だけど。
ハノイには、日系のお店やサービスもある。
けれど、日系チェーン店は、南部の大都市・ホーチミンに比べるとあまり進出していない。
日系コンビニはゼロ。唯一のコンビニはサークルK。
ホーチミンにあってハノイにないもの… 高島屋、吉野家、すき家、大戸屋、ファミリーマート、セブンイレブン、ミニストップ、マツモトキヨシ、ヤマザキパン… まだまだありそう(泣)。
...とは言え、日本っぽい家庭生活を送ることはできる。
普段の食生活は?
日本と同程度のコストをかければ、日本と同じような食生活を送れる。
我が家は自炊は、日本食(和洋中)100%。
ハノイでは、日本食の調味料も、日本に近いお米も、生食できる卵も買える。
どこでもなんでも手に入るわけではないので、時間に余裕をもって、まとめ買いやデリバリーで。
あと、日本からの輸入品は約2〜3倍のお値段。
現地品でいいもの、代用できるものは、ローカルスーパーで。
外食は、日本食レストランも、それ以外の各国のレストランも、いろいろ楽しめる。
ベトナム料理は、我が家ではたまにだけ。
名物料理や朝食などを、観光客みたいな気分で食べに行く。
各国料理のデリバリーも豊富。
日本語や英語で、デリバリーサービスから手軽に注文できる。
子供の幼稚園や学校は?
ハノイの場合は、幼稚園から中学校までは、日本語で日本と同じような教育を受けられる。(保育園はなし)
- 通園・通学は、どこもスクールバス。
- 食事は、日系幼稚園は給食付きだけど、日本人学校はお弁当持参。(希望者は指定業者のお弁当を注文できる。)
ハノイには、複数の日系幼稚園がある。
-
さくらHoaAnhDao幼稚園(Tay Ho区)2005年設立。
-
ひまわり幼稚園(Tay Ho区)託児サービス有り。
-
桜モンテッソーリ子どもの家(Cau Giay区)モンテッソーリ教育。
-
なかよし幼稚園(Cau Giay区)日本人出資100%。
だいたいは、年幼から通えて、朝食/昼食/おやつと給食がある。
教育方針、通園にかかる時間、園の設備、学費など、見比べて選べばいいかと。
生徒数は、2022年1月は、小学部が335人、中学部が77人だった。
少人数でクラスを分けていて、小学校低学年は3~4クラス。
小1から英語/ベトナム語の授業もある。英語はレベル別。
日本の教科書で勉強し、そうじの時間や係もあり、運動会にはソーラン節を踊ったりしつつ、社会科見学でローカル市場やイオンへ出かけたりもする。
インターナショナルスクール(英語)は、幼稚園から高校まで複数有り。
日本人家庭でも、インターナショナルスクールに子供を通わせているお宅も多数。
よく名前を聞くのは、
-
国連国際学校のUNIS Hanoi(ユニス)
あたり。
学費の負担について、駐在家庭でよく聞くのは、日本人学校の場合は会社負担、インター校の場合は自己負担。幼稚園は会社によりけり。
ハノイ日本人学校は、2022年1月時点の学費/バス代は、一か月あたり580USDで、別途、入学金800USD。
インター校の方が学費が高く、日本人学校の2~3倍。
ベトナムへ持参した方がいいもの(就学児・就園児)
- 学用品、文房具(特に日本人学校の場合)
日本人学校では、学習ノート、毛筆の習字道具、辞典、裁縫セット、彫刻刀…など、ベトナムで入手しづらいものを多数使用する。
ハノイ日本人学校のWebサイトで、各学年で使う学用品を公開しているので、来越前に一年分は用意しておくと吉。
また、文房具は、日本で買う方がコスパがいい(特に品質!)。
- ゆかたや甚平など、イベント用の和服
特に幼稚園くらいだとお祭りなどで着る機会がある。
- 可能なら、タブレット端末など
コロナ禍のとき、ハノイ市ではオンライン授業になった。(2021年度はほぼ丸一年)
今後も何が起きるかわからないので、オンライン授業を受けられる環境は用意しておくと安心。マイクとカメラ機能のあるパソコンでもOK。
新品のIT機器は日本で買う方がコスパがいい。
ベトナムの言語は?お金は?
ビジネスでは英語を使っている人が多数派だろう。
けれど、ベトナムの街中では、英語はあまり通じない。
観光地や、外国人向けのお店くらい。
でも、英語ができれば、アクセスできる情報も増えるはず。
普通の街の人や、タクシードライバーには、英語はまず通じないので、タクシーの道案内と数字くらいは、ベトナム語を覚えた方が暮らしやすいと思う。
私は、街ではベトナム語のわずかな単語と片言英語、職場では日本語オンリーで暮らしている。
大きなトラブルがなければ、翻訳アプリを駆使で暮らせる(^^;)。
ベトナムの通貨は、ベトナムドン(đồng Việt Nam)。国際通貨コードはVND。
約100円が2万ドン弱と、桁がとっても大きい。
ベトナムドンから日本円への換算方法や、買い物のコツを早めに覚えよう。
ベトナムドンは紙幣のみなので、お財布は大きく開ける札入れがお勧め。
街での移動方法は?交通手段は?
うちは、どこに行くのもタクシー(Grab)。
初乗りが約25〜75円と、日本に比べて格安。
電車(メトロ)は十年の歳月をかけて、最初の路線が2021年11月6日に開通!
けれど、ハノイ市全体をカバーするのはまだまだ先だろう。
ファミリーカーが付く会社もあるけど、多くの家庭では自力でGrabを使ってる印象。
バスを使う人もいるけど、バスのルート上に居住地があれば、だろうな。
キンマー界隈は、バスも便利そう。
バイクや車の運転は、駐在家庭は、会社のルールで禁止の場合が多い。
特にハノイの街中は、交通マナーがぐちゃぐちゃで、難易度高いので(^^;)。
地元ベトナム人はバイク移動が基本。荷物の運搬もバイクで。
住環境は?自宅での暮らしは?
駐在家庭の多くは、家具家電付き、ジムやプール有りの、コンドミニアム(分譲マンション)かサービスアパートに住んでいる。
サービスアパートはハウスキーピング付き。コンドミニアムは普通はなし。
個人でメイドさんを雇う人も割といる。(時給2~4USDくらいから。)
我が家は以前は、ベトナム人オーナーから、コンドミニアムの一室を借りていた。
数年間、快適に暮らしていたのだけれど、住宅の老朽化に伴い、トラブル多発になってきて、引っ越し。
もはや笑い飛ばしてほしい、トラブル話はこちら↓。
途中でサービスアパートへ引っ越した。
週3回のハウスキーピング(洗濯と洗い物以外)、ウォーターサーバー、日本のテレビ視聴サービス付き。光熱費一部と、ジム/プール代も込み。
キーパーさん達もメンテナンスの人達も、複数人体制で、サービスが途切れることがない。
けれど、備品の故障はちょいちょいある。
対応は早いけど、一度で直らないこと多数。
管理会社やオーナーを過信せず、住環境に不具合がないかは自分で気にかけて、問題があれば明確に要求すべし。
また、子連れの場合は、日本人家庭が多いレジデンスを選んだ方が、子供同士で気軽に遊べていいと思う。
ハノイは、交通事情的に、子供だけで別のレジデンスへ遊びに行くのは無理。
どこに日本人が多いかは、不動産屋会社に聞くべし。
服や日用品の買い物は?
ここ数年で段々と便利に。
選ぶ楽しみまではいかないけど、手に入れる手段はあるのが、ありがたい。
- 百均:ダイソーがちょこちょこ。
- 服:ユニクロ、H&Mがいくつか。
- ホームセンター:コーナンがAeonハドンに。
- スポーツ用品:デカトロンがVincom Royal Cityに。
- 無印良品がVincom Metropolisに。
調理家電は日本から持参がお勧め。変圧器はベトナムで買える。
各種生活用品は、ローカルのスーパーで、洗剤やシャンプーなど普通に買える。
zabon-inu.hatenablog.com
あとは、ドラッグストア系がもっとほしい!
日系スーパー・富分のドラッグストアができたけど。
娯楽は?休日の過ごし方は?
日本の都会に比べると娯楽は少ない。
私のもっぱらの暇つぶしは、ハノイ散歩とカフェでお茶。
あとは、家族で外食(飲み)。たまにマッサージ。
子どもは、泳げる時期は、レジデンスのプール。
あとは、屋内のプレイグラウンドやゲームセンターやトランポリン。
たま~に動物園や水族館。
ほかには、男女問わず、サークルに参加して、スポーツや音楽や飲み会とか?
ガイドブックやフリーペーパーで、楽しい場所を探して行ってみるとか?
男性陣なら、ゴルフや、たまにカラオケ?
どちらも仕事上の付き合いの側面が強そうだけど。
女性陣なら、友人と習い事やランチ。
ネイルサロンや、たまに服などのオーダーメイドかな?
ハノイ郊外へ買い物旅なんてのも。
バッチャン村は気軽に行けて、陶器市場を見るだけでも楽しい。
一番の娯楽は旅行だろうな。
ベトナム国内には、ビーチリゾートや観光地がいろいろ。
近隣諸国への海外旅行も、タイ、カンボジア、シンガポール、マレーシア、ラオス...などなど。飛行機で2〜4時間くらいで行ける。
ただし、ベトナムは祝日が少ないし、土曜も営業する会社も多い。
一泊二日なら、ハノイ市内のホテルでステイケーションもお勧め。
時期によっては五つ星ホテルでもかなりリーズナブル。
病院や薬は?
高度医療が必要な状況となると心配だけど、風邪や軽いけがなどであれば、そんなに困ってない。
我が家は、日本語通訳付き&海外旅行保険で自己負担ゼロ(交通費は自費)で、病院に行っている。
ハノイには、日本人医師のいる病院もいくつかある。その場合は、直接やりとりできて、より安心。
歯医者も日系が複数。
自費診療だけど、あとで日本の健康保険に申請すれば、多少戻ってくる。
とりあえずの様子見の時は、街のあちこちにある薬局で、処方箋なしで簡単に薬も買える。
ベトナムから日本への一時帰国は?
ハノイ-日本間は、飛行機で5〜6時間。
定期便も毎日複数飛んでいたので、緊急で必要があれば、その日に帰ることもできた。
時差も2時間だけ(日本で午前10時なら、ベトナムは午前8時)だし、近めの海外。
コロナ禍中は全然帰れなかったけれど、平常時なら我が家の場合は、年に2回一時帰国していた。
周りの日本人駐在員家庭も、だいたいこんな頻度かと。
一時帰国の時期は、一番多いのは夏休み。期間は人によってまちまちだけど。
あとは、テト(旧正月)が長期休暇だけど、テト時期は日本が極寒で気温差がきついので、海外旅行派も多い。
子連れ家庭は、春休みに母子だけ帰るパターンも多かった。
でも、年末年始はハノイで過ごす人が多い印象。
旧正月が本番のベトナムは、新暦の年末年始は会社は2~3日しか休みがないので...。
我が家も本帰国するまでの6年間、お正月はずっとハノイだった。
日本へ一時帰国したら、服や食材や生活用品など、爆買いしたものをハンドキャリーで持ち帰りがお約束。
スーツケースに、緩衝材くらいのノリでカツオ節の大袋を詰め込んだのが懐かしい。
まとめ:自分基準でぼちぼちで
ベトナムという異国の地なので、なんでも日本と同じなわけはない。
受け入れ難いことがあっても、文化の違い、価値観の違いとして、ある程度はスルーできたほうが、楽しく暮らせると思う。
2022年現在のベトナム・ハノイは、日本と同じような生活をしようと思えば、手段はある。
とは言え、どこでもなんでもできるわけではないから、思わぬところでけっこう疲れる。ぼちぼちで。
あとはどこまでベトナムのものを取り入れて暮らすのか。
駐在の場合は、海外・ベトナムに住むことが主目的ではないよね?
「せっかくならその土地ならではの経験を」と思うけど、無理せずにすむ、自分にとっての落としどころを探っていけばいいかと。
それでも、凹むときはあるだろう。
くだらないきっかけでも、凹む自分を責めすぎず、凹んでおきたい。
そして、気分を変えたくなってきたら、散歩でも、まったりお茶でも、マッサージでも、こもって漫画三昧でも、自分にとって楽しいことでストレス解消。
がんばりすぎず、「違う」ということを楽しんでいけたらと思う。
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