ベトナムでタクシーに乗るときや、荷物や郵便を送るときに、指定する必要がある住所。
ベトナムの住所表記は、日本と逆の順番で近くから遠く。(小から大、子から親)
ベトナムの住所について、ベトナム語/英語/日本語のそれぞれの表記とともに書いてみる。
ベトナムの住所は近くから遠く
ベトナムの住所表記の並び順は、日本語と逆になる。英語と同じ。
部屋番号、〇階、マンション名、番地、通り名…のように、近くから遠くの順に書いていく。
以下、色の文字は、具体的な地名ではなく「市」「区」「通り」など。
- ベトナム語:近く→遠く
Phòng 303, Tầng 3, ABC Suites, Số 999 Phố Kim Mã, P. Ngọc Khánh, Q. Ba Đình, Tp. Hà Nội, Việt Nam
- 英語:近く→遠く
Room 303, 3rd Fl., ABC Suites, No. 999 Kim Ma Str., Ngoc Khanh Ward, Ba Dinh Dist., Hanoi City, Vietnam
(街区や区の名前が数字の場合は、Ward 3, Dist.1のように書く)
※最寄りの通りがĐường/Phố以外の場合の書き方はこちら。
都市部のタクシーで住所指定するときは、太い文字の「番号+通り名」(例:999 Kim Ma)のみで、だいたい大丈夫。
(同名の通りが複数ある地域では、街区まで指定が必要かも。)
郵便や荷物を送るときなど、住所は英語表記でも通じる。
ハノイ市の場合は、ベトナム語でも英語でも、色の文字の部分は省略されることが多い。
例:999 Kim Ma, Ngoc Khanh, Ba Dinh, Hanoi, Vietnam
また、ベトナムの郵便番号は、↓のサイトで「Phuong XX」 と街区名などを入力して調べられる。
ベトナムの番地の並び方
ベトナムでは、通りに沿って区画に番号が振られる。
1、3、5...と2、4、6...のように、隣同士の建物の番地はひとつ飛びになる。
同じ道で、片側が奇数、道の向こう側は偶数のようになっている。
(番号を並べる向きは、地域によって異なる。)
ただし、各区画の大きさは均一ではないので、15番の向かい側が36番なんてこともよくある。
番号を1番でも間違えると、けっこう離れたところに到着する可能性もあるので、要注意。
また、大きな区画を後で分割した場合は、80Aと80Bのように、番号の後ろにアルファベットを付ける。
たまに、通りによっては、番号の規則性がよくわからない場合もある。(ハノイならPhan Ke Binhとか...(^^;))
ベトナムの路地の呼び方と番地指定
通りにも、メイン通りと、メイン通りを親とした路地とがある。
まず、メイン通りは、Đường(ドゥオン)またはPhố(フォー)。
Đường Xuân Diệu(スアンジウ通り)や、Phố Linh Lang(リンラン通り)のように、それぞれの道に名前がある。
メイン通りから分岐した路地の呼び方は、地域によって異なる。
ハノイなど北部ではNgõ(ゴー)、ホーチミンなど南部ではHẻm(ヘム)、ダナンなど中部の一部地域ではKiệt(キエット)と呼ばれている。
路地の通り名は、ハノイの場合なら、Ngõ+分岐点の番号+メイン通り名。
例えば、Đường Tô Ngọc Vânの52番地から分岐した路地の名前は、「Ngõ 52 Đường Tô Ngọc Vân」。
そのNgõの99番地の住所なら、以下の書き方をする。
- 書き方1:Số 99 Ngõ 52 Đường Tô Ngọc Vân
- 書き方2:99 Ngõ 52 Tô Ngọc Vân
- 書き方3:99/52 Tô Ngọc Vân
- 英語表記:No.99, 52 alley To Ngoc Van Str.
短くかつ誤解がないように書くなら、2がお勧め。
記号なしアルファベットで、「99 Ngo 52 To Ngoc Van」と書いても伝わる。
ハノイ市街地の路地のあれこれ
ハノイの市街地は古くからの地区も多く、大通りを外れると、道が迷宮のように入り組んでいるところもある。
また、道の規模間とレベルがしっくりこない場所も多々ある。
路地はひ孫まで呼び方がある
ハノイの市街地では、Ngõから更に分岐した路地の呼び方がある。
通りの大→小のレベル順で書いていくと…
- Đường(ドゥオン)またはPhố(フォー)
- Ngõ(ゴー)
- Ngách(ガック)
- Hẻm(ヘム)
1がメイン通り扱い。
2以下は、通りのレベル名+分岐点の番号(上のレベルから順に"/"区切りでつなげる)+メイン通り名。
例えば、「Ngách 45/6 Phõ XXX」という路地なら、Phõ XXXの45番から分岐した、Ngõの6番から更に分岐した道のこと。
このNgáchの7番地の住所は「Số 7 Ngách 45/6 Phõ XXX」になる。
ハノイ市内でも、すべての地区でここまで住所が細かいわけではない。
少し郊外へ行くと、集落の名前以下の住所がないことがある。
道のレベルと広さは一律じゃない
ハノイ市の道は、レベル順に並べると下図のようになる。
けれど、道の広さは、3のNgáchまではわりといろいろ。
ĐườngとPhốは親子関係ではなく、どちらもメイン通りの扱い。
じゃあ、ĐườngとPhốの違いは何?
周りのベトナム人に聞いてみたけど、意見がわかれる。
道の規模はいろいろだけど、Đườngは比較的新しい街道、Phốは古くからある通りが多そう。
経験上、Đường/Phốの通り沿いまでなら、タクシーで行く場合に迷うことは少ない。
でも、Ngõ以下は道の規模次第。
NgõやNgáchは、同じレベルの道同士でも、場所によって規模が全然ちがう。
Ngõは、2車線ある道から、住人しか入らないような道まで混在している。
Ngáchは、にぎやかな路地もあれば、入口に門があるような路地もある。まれに2車線の道もある。
Hẻmはハノイでは少なく、地図上でしか見たことがない。
どのみち、住人以外が通る雰囲気ではなさそう。
また、入口は車が入れても、途中から急に細くなる路地もある。
観光地の場合はたぶんないけれど...
車でĐường/Phố以外の通りへ行くときは、住所や地図で道の規模感を確認することをお勧めします。
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